屋久島へ行ってきました(その2)
★屋久島2日目★
朝6時にガイドさんが宿舎まで迎えに来てくれました。いよいよ縄文杉1泊トレッキングのはじまりです。私は、白谷雲水峡を越えていくルートを選びました。通常は、荒川登山口から長いトロッコ道を通って縄文杉に行くそうです。しかし、私は長いトロッコ道が嫌だった。朝と夕の白谷雲水峡が見たかったのです。荒川登山口からのルートは、徐々に登っていくルートなのですが、白谷雲水峡のルートは一度登って、峠を越えてから降りて、トロッコ道へ入るという峠越えのルートです。しろ~とは怖い。この日がどんなに大変か思っていませんでした。普通の人が日帰りで行く行程を、半分だけ行って、山小屋で1泊という感覚ですから、ゆっくりのんびり余裕じゃんと思っていました。
白谷雲水峡(標高620m)
で朝食を食べ、体操をして、トレッキング開始。朝もやに煙る白谷雲水峡は美しく、すばらしい眺めでした。写真をとりながら、まあ、ハイキング。
そんなに、大変ではありません。そして、白谷小屋到着。休憩、トイレ、水の補給。そして、ここからすばらしい苔の森(映画もののけ姫の森のイメージです)が広がります。見たことのない風景。太陽と水と空気と土は、なんてすばらしい芸術作品をつくるのだろうと思いました。写真ではわかりません。屋久島に行ったら、ここに行くことを強くお勧めします。私は、白谷雲水峡は、1日とって、ゆっくり見て回るべきところだと思いました。
さらに登っていき、辻峠(標高980m)に到着。ここに荷物をおいて太鼓岩(標高1050m)に登りました。山の上に張り出した岩からの眺望はすばらしいものがあります(高所恐怖症の人は・・笑えるでしょう)
そして太鼓岩から辻峠に戻り、少し下ると辻の岩屋(映画もののけ姫のモロ一族の住む岩屋のモデルらしい)。
ここからトロッコ道への合流地点、楠川分れ(標高720m)まで下っていきます。トロッコ道を少し進んで休憩所(バイオトイレ)で昼食。のんびりしていたら、ガイドさんが微妙にあせっている雰囲気。「ここで半分ですから・・・・」の言葉。えぇ~~時刻は13時30分。まだ、先は長いぞ~^^しかし、私はあせってはいません。長いトロッコ道を歩きながら、頭の中で「丘を越えゆこうよ~口笛ふきつ~つ♪」を歌い、そして「線~路は続く~よ、ど~こまでも♪」と歌いながら歩き続けました。トロッコ道は、白谷雲水峡の山道に比べたら楽勝です。
そして大株歩道入り口に到着。ガイドさん曰く「ここからが本番です」おい。いきなりの急な登りじゃん。
ここから、山道でございました。すでに回りを歩いている人は一人もいません。つま~り、この時間にこんなところを歩いていてはいけない時間なのです。ひぃひぃ言いながら、ウィルソン株に到着。植物学者のウィルソンさんが調査した切り株で周囲13.8mの株です。中には清水が湧き出ており、祠があります。内部に入り、右手前の石に座って、上を見ると空がハート型に見えます。
良いのか悪いのか、まったくの独占状態。誰もいません^^。このあとの急坂はきつかった。
大王杉(この木も相当古いので有名)のあたりで、日は暮れ、ヘッドライトが必要な状態になりました。お~い。ヘッドライト点灯(良いものを購入しておいてください)して、登山する予定はなかったよ~。う~ん楽しい^^。こうして縄文杉(標高1300m)に到着したときは真っ暗。もちろん、誰もいません
。ヘッドライトに浮かぶ縄文杉に向かって「また、明日ね~」と呼びかけ、高塚小屋(標高1370m)へ向かいました。到着は午後7時を回っていました。こうして、屋久島2日目のトレッキングは終了。ガイドさんが、おいしい夕食を作ってくれて、それを食べ、寝袋に入ったら、即、意識不明になりました(寝てるって^^)。ガイドさんご迷惑をおかけしました。もし、屋久島の山登りで再びガイドを頼むようなことがあれば、あなたにお願い致します(迷惑かな^^)ちなみに山小屋には明かりがありませんので、トイレに行くにも、何をするにもヘッドライトが必要です。泊まりなら、ぜひ、ライトにお金をかけてください。
★屋久島3日目★
朝4時に起床。朝ごはんの雑炊を食べ、トイレ(ここのトイレはすごいです。何がすごいって・・・ばっちくて写真には撮れません。山ですからしかたないでしょう。トイレがあることに感謝すべきです。)を済ませ、朝の縄文杉を見るべく出発。朝日に浮かぶ縄文杉が見られる場合は少ないらしく、私も何となく明るくなっていく縄文杉を見ることになりました(朝日の縄文杉は見られなかったということです)。
この日、朝の縄文杉を見にきていたのは、8人くらいでしたので、やはり、のんびりとしたものです。縄文杉の前には、木組みの観覧場所みたいなのがあり、木自体に触れることはできません。少し残念ですが、観光客が根を踏んで触っていたら、縄文杉も弱ってしまいますよね。長らく生きてきた木を、私たちの時代で絶やさないようにする責任がありますよね。
こうして、帰り道が始まりました。昨日、あわただしく登った道を下る。まったく別の風景となっています。ウィルソン株に到着したときは、もう日帰り登山の人たちが居ました。そうそう、すれ違う人たちには、若いカップルがすごく多いことに気がつきます。しかも、女性は山ガールといった可愛い格好をしています。若いだけあって、足取りも軽く、気分も高揚して、幸せそうに、疲れ知らずで歩いています。若さはうらやましいもんですね^^。さて、帰りは、下りですので、軽快に進み、大株歩道入り口をあっという間に通過し、楠川分れを越え、辻峠へと登っていきます。辻の岩屋で昼食(ミートスパゲティ)を食べ、辻峠を超え、苔むす森を抜け、白谷雲水峡入り口に戻ってきました。このとき、私の足は、生まれたての小鹿のように震え、トレッキングポールで支えながら歩いていました(入り口近くの石畳の整備された下り道が実はとってもきつかった。)そして、到着を待っていたかのように雨が降ってきました。この2日間雨具はまったく必要ありませんでした(少し降る雨は濃い木々の葉によって防がれ、下を歩く私の所まで到達しませんでした)
縄文杉までの往復約22km・・・何かやりとげたという達成感があります。自分の足で歩くということで、文明から逃れた自分に何か嬉しい気がしたのです。この22kmという距離は長いです。興味のない人にとっては苦痛以外の何ものでもありません。何のために、縄文杉まで行くのか?私には、白谷雲水峡1日トレッキングで十分だと思っていました(それでも相当きついです)目標に向かって歩いて行くこと・・・それ自体に意味があるのです。その目標は、簡単でなく時間もかかる。でも、自分が行こうと思って、がんばって行く。。。このことが大切だと思いました。
でも、私は、もっともっとゆっくり自然を感じながら、いっぱい休憩しながら、阿呆みたいに、のんびり歩きたかった。それはまた別の楽しみかたですね。そうそう山に虫(蚊)がいないのが快適でした。
この日の宿泊は「JRホテル屋久島」にしました。感じのよいホテルで部屋からの眺望もすばらしい。湯はまったりとしたヌルヌル温泉。山から下りてきたので、ちょっと贅沢なところに泊まりたかった。屋久島最高の高級ホテルは「サンカラホテル&スパ」ここは論外な値段なのでパス、次が「屋久島いわさきホテル」と「JRホテル屋久島」という感じです。この日の宿泊場所は空港前の「縄文の宿まんてん」と悩みました。「まんてん」は風呂が充実しているんですよね。疲れた体に風呂~どうしよう?結局、風呂設備は劣るが、ヌルヌル温泉と眺望ということで、JRホテル屋久島を選択しました。風呂からは夕日が、部屋からは朝日がしっかり見える良いところでした。
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コメント
良い旅でしたね
私も~30代の頃・・・この頃は
登山
雲海を見たいわ~
いりを食べて眼下を。。。望みたい
どうにか登山できそうだったので~屋久島に行きたいと思ってました
でも~やはり無理だと思いいました
何度か『屋久島特集」を見たんだけど~
登りははどうにかできても~下りがとても無理だと思いましたね
後・・・
頂上はとっても無理だけど~7合目登山して
そして・・・梅干し
投稿: おじょです | 2012年10月15日 (月) 20時14分
こんにちは、おじょさん^^
登山って体力勝負。特に足腰がしっかりしていないとつらいです。富士山も良いのですが、高山病に順応できるくらい時間に余裕を持って行動したいです(無理ですね)
3000mはレベルが違います^^
投稿: ぼんやり | 2012年10月15日 (月) 23時03分
読んでいて、ホントにおもしろいし楽しいです。ガイドさんも大自然と同じく大きな広い心の方だったみたいですね。。。
トレッキングの装備:ヘッドライトに助けられての登山・・バテは感じませんでしたか?
縄文杉くらいしか知らない屋久島ですが、添付の地図を見ながら写真と文を見てうっとりです。すばらしい景色、幻想的ですね。空がハート型・・うふふ、何かご利益あるのでしょうか。ステキですね!
おじょさん、お久しぶりです。20代の時に富士山頂上まで登りました。8合目でご来光・・若さもあり、特に苦しくなかったのですが、下りはきつくてつらかったですよ。涙でした。遠くから見る富士山はとっても美しいですが。
投稿: kei | 2012年10月17日 (水) 19時27分
keiさん、トレッキングが特につらいとは思いませんでした。白谷雲水峡の緑の苔の森は、びっくりするほどの美しさです。ここへは、距離があまりないし、日帰りなので、荷物も少ないため、行きやすいと思います。
ほう、keiさん、富士山登ったんだぁ。日本人なら、伊勢神宮と富士山くらいは、行っとかないとね(おいおい・・笑)富士山は登山道が行列になるとも聞いているので・・それが安心でもあり、嫌でもある^^まあ、いつか行くと思いますが、体力があるうちですねぇ。
投稿: ぼんやり | 2012年10月18日 (木) 07時41分