韓国ドラマ「がんばれ!クムスン」全163話見終わりました。
韓国ドラマ「がんばれ!、クムスン」全163話、見終わりました。壮大なる母の物語・・そして子は希望という物語です。素晴らしい脇役とよく練られたドラマの設定の中で、困難に負けない。。。逃げないクムスンに視た人は何かをもらえます。80時間を超える長いドラマですので、ドラマ全編にわたる偏見に耐えられなければ、アウトとなります。負けないクムスンと可愛いジェヒにはまれば、大丈夫ですし、家族を中心とした問題・・とりわけ、嫁と嫁ぎ先との問題は興味深いですから、一見の価値があるでしょう。後半はけっこうなラブ・ストーリーですし、絶対、どこかで泣くことができます。
さて、母の愛ですが、よ~く考えてみると、全編、これだらけというほど、母の子への想いが重層しています。まさに、これだけでドラマをつくったと思えるくらいです。クムスンはもちろん、クムスン母、ジョンワン母、ソンラン、ジェヒ母、クマ母、母がわりのクムスン祖母・・でてくる女性キャラクターは、ほぼすべて、子への愛情を持っています。その状況は、さまざまですが、すべて、我が子へ愛情を注いでいるのです。その行動の基本は、「子が幸せになって欲しい・・・」 そのためには、理屈に合わなくても、人を傷つけても、自らの信じる道を進むのです。その信じる道が、別の人の母の道と交差するもんですから、そこにドラマができる。感動があるんです。私達は、このいろいろな母のかたちに、自らの生き方を重ねて、一喜一憂しますが、根底にある母の愛に対して、同意しているため、何があっても、最終的には許してしまいます。そして、子の幸せを求めることが、生きる希望のひとつであるとも思っています。子という精神的な支え・・・を持つ人は、困難に向かった時、強さを発揮します。この想いは、子を持たない人には、実はわからないものかもしれません。しかし、そこに、そんなものかな?そうあってほしいなという気持ちを持たされる。そして、子を持つ人は、自分の気持ちと比較する。こうして、人はこのドラマを見て何かを感じます。
さて、もうひとつ感じたことは、親と子の境遇が対照的に配置されているということです。ジェヒ母はシングルマザーですが、我が子ジェヒが子持ち未亡人と結婚しようとすると大反対。ジェヒは父親なしで育ちましたが、父親のいないフィソンの父となろうとします。シワンも血の繋がらない妻の子の父となろうとします。ジョンワン母は、我が子シワンの嫁ソンランが離婚経験者で子供もいることを知って激怒しますが、手元においたクムスンも実はソンランとほとんど同じ境遇です。クムスン祖母は、クムスン父死亡時に、クムスン母を追い出してしまいますが、この状態は、クムスンと子フィソンを別れさせようとする時に大きく影響します。クムスン母とソンラン母は、手元に子供がいないということで、同じ状態。こんな感じで、いろんなパターンが実はよく似ていて、それぞれが、過去や周りをみて、この場合はどう行動するのだろうと考えるのです。え~、さっきはまともだったのに、自分の事になるとそうなのかい?なんてことはいっぱいですよ。
こうしてみると、他人の身に起こることは、自分の身にも起こるということで、「明日は我が身」ってことを実感します。しかし、過去には、まずい対応をした・・・他人の対応がまずいと思う・・という経験を得ることで、人は成長し、次の困難に対する対応をより良いものとします。その対応がベストでは無くても、後悔や経験は宝。何事もなく過ごしてきた人と比べると、そこには、人間的な差を確かに生じさせるはずです。人の行動を左右するのは、その人の考え方。私は、このドラマをみて、人間の心の成長こそが、大きな主題だったのかなとも感じました。
そうしてみると、ジェヒとクムスンの成長は、すごかったでしょう(最終話のクムスンのジェヒ母への態度は笑える。しっかりした嫁だなぁ~)駄目キャラのシワンも最後はしっかりしてきますし、テワンも一生懸命生きている^^ソンランは理知的ですがそこに情けが、はいってきます。ジョンワン父母は、偏見と愛情に揺れながら、最後は満足できる結果を導きました。人は、失敗します。でも、今度は失敗しないでおこうと思う。本当に、その繰り返し・・・。実は、本を読んだり、ドラマを見たりすることは、本来自分の身に降りかかる出来事を疑似体験しているわけですから、安全に失敗体験ができます。その体験は、自分の進むべき道を増やすことになりますよ。・・・な~んて、うまいこと言っちゃって、韓ドラ視聴は続くのだ(笑)
さて、問題だったのは、子持ちとか離婚経験者とか親がいないことに対する偏見。この偏見が年長者への尊敬と一緒になって問題とされます。慣習や宗教による考えの違いですから、不快であっても、そこはそんなもんだと思うしか無いのでしょう。しかし、ドラマ全体を支配するこの偏見は、視聴意欲を減退させる大きな要因でもあります。このドラマは大きく3つに分けられます。序盤は、子持ち未亡人となったクムスンの奮闘物語、中盤は、クムスンの母の腎臓移植問題、最後がクムスン再婚問題です。私は、中盤のクムスンの母との関係が描かれたところが好きです。クムスンの姑のキム・ジャオクさんが、キッ!と睨むと、来た~と思って、私はもう、身をすくませてしまいますから、序盤や終盤途中までは精神的に「ごめんなさい」です^^
おや、ここまで、ジェヒとクムスンの愛には触れませんでした。このドラマは人の成長がテーマで、恋愛がテーマでは無いと感じてますから、あまり述べることはありません。しかし、後半のクムスンとジェヒの恋愛は、ミニドラマとして見ても、十分通用するデキです。156話終わりから157話冒頭にかけての、公園での別れのシーンは誰に見せても大丈夫と思える屈指の名シーンと思えます。(何度でもいうけど、何故2つに分けたんだろう!残念)その後は、ハッピーエンドへ向かう大きな流れですから、「これまでごめんね。お幸せにね」って感じの安心して見られる涙シーンの連続です。最後は、ジェヒや家族のシーンでは無くて、夢を実現したクムスンのアップで終了。つまり、言いたいことは、夫や家族との愛ではなくて、自分の生きる道ということですね。
良いドラマでした。感想の最後の言葉は私は決めていました。これしかない!
「ごめんねじゃなくて・・・ありがとう」
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