トンイ

2011年6月16日 (木)

韓国ドラマ「トンイ」全60話見終わりました。

韓国ドラマ「トンイ」全60話見終わりました。「イサン」に続くイ・ビョンフン作品ですが、どうでしょうか?私としては、イサンよりは、かなりおもしろいけど、絶対に見ておくべきというほどでは無い。お好きなららどうぞ~見た時間がもったいないということはありません・・・といったあたりの評価です。ちょっぴり辛口で始まりましたが40話前後は睡眠時間を数時間に削って見てましたので、見させる要因は大いにありました(あかげで風邪ひいた;;)

物語は、賤民であったチェ・トンイ(ハン・ヒョジュさん)が汚名を着せられて亡くなった父の無実を晴らすために宮廷で働こうとします。そこで、お忍びで街にでていた朝鮮第19代国王の粛宗(スクチョン:チ・ジニさん)と出会い、彼の愛をうけながら、側室チャン・ヒビン(イ・ソヨンさん)との政争を経て、出世していき王の子をもうけるという物語です。賤民の出身であるトンイが王の子をもうけ、その子が王となるというのですから、血筋を考える人々にとっては大問題で、そのあたりが物語を混乱させる要因となっています。

さて、テーマは、完全に一本筋が通っていまして、「貴いということは、身分で決まるのではなく、その心の貴さで決まる」ということです。王、貴族、平民と階級社会ができていて、人々は、王に頭を下げ、貴族はその保身にやっきになり、賤民の命は虫けら同然の扱いとなっています。こういう時、貴い人とは誰なんだろうと物語は問います。私には、分不相応な扱いです・・・というトンイに、物語は、心が貴い者は、それに応じた尊敬をうけるべき価値があると返すのです。ですから、物語を通じて、トンイの行動は、決してブレがありません。真心と赦し・・・で、政略うずまく宮中に挑むのです。もともと政争にあけくれる貴族たちにとっては、トンイの行動は自分の理解を超えていますので、そのトンイの行動に隠された陰謀があると思ってしまうのです。自分の規範で人を評価する時、その人の大きさが自分の物差しよりはるかに大きいものだったら、その大きさはわかりません。トンイは自分の生き方に従って、生きてきただけ、その結果王の子を得て、子のためにどうしようと考えただけなんです。しかし、きたない宮中の中では異色の存在、本当はそうありたいと思う理想の人がそこにいることになったのです。そのトンイの心に触れた時、ある人は、魅入られていくのです。

私たちは、ある意味、現代の政治も同じようなことになって勢力争いをしているんだろうなぁと思っています。そこ吹く清廉な風のトンイ・・・やっぱり、心が貴い人が報われるんだという夢がそこに描かれ、このドラマをみると自分の心の中に開いた現在の政治に対する悲しい穴を少しだけ埋めることができるのです。ですから、このドラマのトンイは、決して挫折することはありません。視聴者の夢や希望をのせた存在となっていますから、どんなにピンチになっても(もう、無鉄砲ですから、しょっちゅうピンチになります)乗り切るのです。ですから、ハラハラ、ドキドキしながら見る良質のエンターテイメントとなっています。

チ・ジニさん扮する王スクチョンは、コミカルな感じで描かれることもあり、権力的なカリスマがいまいちありません。この時代はすでに、王は血族で世襲され、政治の実権は、政党ともいえる貴族集団で運営されているという感じです。イサンの時にも感じましたが、王なんだから、自分の意見に逆らって、つべこべ言う貴族はみんな追放じゃ~名分が何だ~私がルールブックじゃい!なんて、感情を私は何度も、もったことでしょう。

ハン・ヒョジュさんは、全編を通じて無難な演技をしていたと思います。後半、出世してからの気品ある態度は、はまっていると思います。見るべきは、チャン・ヒビン役のイ・ソヨンさん。初めは、トンイの才能を見抜き、抜擢していく彼女ですが、いつしか、王の愛を失い、側近の思惑とともに壊れていくところがすごかったです。ヒビンの側近がまともな人間なら、彼女も優れた心を持つものとして、君臨できたはずです。しかし、ヒビンの側近がアホなものですから、その毒が、ヒビンに回ってくることになります。貴かった心も、生き方により、変わる。ここに、心の貴さを保つことの困難さが示されています。

しかし、王は、いったい誰が好きなんだろう?子を成すための道具としての女性と心を通わす女性。うらやましいことに、王の二股+αの物語でもあります(笑)ちなみに粛宗のあとが、ヒビンの子である第20代国王景宗(キョンジョン)となり、彼は短命でしたので、次がトンイの子第21代国王英祖(ヨンジョ)となります。その英祖(ヨンジョ)の孫が第22代国王正祖(チョンジョ)イサンとなります。トンイの子、英祖(ヨンジョ)は歴代朝鮮王朝で最も長生きし、在位も52年と長かったそうです。イサンの出だしで、英祖がでてきますので、お~トンイの子だぁと思うと興味深いと思います。

ちなみにトンイが亡くなったのは1718年、国王スクチョンが亡くなったのは1720年、短命景宗(キョンジョン)は4年で去り、1724年から英祖です。この歴史的な流れからすると、このドラマの終わりを、死に逝くトンイを見送るスクチョンとしてもよかったと思うのですが、脚本家はそうしなかった。イサンの流れとかぶるからでしょうかね^^いや、どうしてもヒビンの子とトンイの子で、官僚を巻き込んだ跡継ぎ問題が起こりますから、その汚いところをもう描きたくなかったのでしょう。ドラマはヒビンの子とトンイの子が、お互い信頼し、助け合って行くというきれいな終わり方をしています。どんなに信頼で結ばれた2人でも、周りの官僚・利害・環境がそれを許さない。そんなところを脚本家は描きたくなかったのでしょうね。

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