韓国ドラマ「王女の男(姫の男)」見終わりました
韓国ドラマ「王女の男(姫の男)」全24話見終わりました。これは・・・おもしろい・・でも評価の難しいドラマです。好きあった2人は、親どうしが敵という「ロミオとジュリエット」状態ですので、とっても切ない。しかし、私は、泣けませんでした。おもしろいような気がするのですけど、ちょっとだけ何か足りない。人は、刺激を受け続けると、それに慣れてしまう。愛のためなら、親さえ捨てるという普通なら泣ける設定なのですが、なんか同じ事の繰り返しのような気がして、切なさにマヒしてしまいました。ですから、このドラマは、良いような気がする・・・という微妙な表現の感想です。私が泣くためには、ぐっと貯めていた感情を、その一瞬の視線に込めて爆発させないと泣けないのですよ。何か小出しに、好きあっていた2人が離れては出会い、出会っては離れでは・・・少しだけ飽きるんですよ。(感情移入を妨げる作られた切なさって感じ・・・ごめん、これが本音^^)でも、気にならなきゃ、切ないシーン続出の名ドラマと言ったでしょう。ですから、これは見て、自分がどう感じるかで評価するドラマです。なので、是非見て下さいと言っておきます。はまる要因は大いにあります。
主役はパク・シフさん扮するキム・スンユ。彼は重臣キム・ジョンソ(イ・スンジェさん)の息子で、王女キョンヘ(ホン・スヒョンさん)の教育係に任命されます。ところが、王女の身代わりで講義を受けたイ・セリョン(ムン・チェウォンさん)と教育係スンユは恋仲となってしまうのです。でも、セリョンは、父キム・ジョンソの政敵であるスヤン大君(キム・ヨンチョルさん)の長女。でもって、スンユは、好きなセリョンが政敵の娘であることを知りません。セリョンの父は、自ら王を目指し、政敵を次々と排除していきます。その結果、スンユの父はセリョン父に殺されてしまうわけですね。当然、スンユは親の仇のスヤン大君を討とうとするのですが、それはセリョンの父。セリョンにとっては、親をとるか愛する彼をとるかの難しい選択となってしまいます。ま、こんな感じでず~と進むわけですわ。ちなみに私はキョンヘ役のホン・スヒョンさんがお気に入り女優ですので、序盤はキョンヘ王女が主役だったら良いのにと思ってました(勝手な思いこみで~す。スルーで)
政敵にはきびしいスヤン大君が家族には優しかったりするのが、意外な見所です。途中で感じたのは、人は出世することにどういう意味があるのかということです。人より偉い位置に立って、見かけ上幸せなようですけど、それを受け継ぐべき子がいない。親は自分の幸せを求めると同時に、子の幸せをも求めているわけです。スヨン大君は、息子を病気で失い、娘には軽蔑の眼差しを自分に向けられる・・・自分が出世してもなんだか全然幸せでは無いんですよね。とっても良さそうな上りつめた場所には、空しさがあったというところでしょうか。
目的はそれを果たそうとして、努力する過程は楽しい(笑)。でも、目的をかなえてしまった時、人は何を求めるのでしょう。普通は、次の目的を設定し、また、がんばるのですが、目的をかなえればかなえるほど、次の目的は困難となるでしょうし、今の状態を維持するだけでも難しいものとなっていきます。そうこうしているうちに、自分の目的が自分の意に沿わないものになってしまうのです。こうなると、そこに空しさが生じます。どこで道を間違えたのだろう?やり直せるものならやり直したい。このドラマでも、スヤン大君が、王になることをあきらめ、政敵の息子と自分の娘を結婚させ、政治を安定化させれば、すっごく幸せと思える道があったのです(それじゃ、ドラマになりませんね)年をとって、自分の生きてきた道を振り返る時、完璧に歩いてきた人はいないでしょう。そこには、あっちの選択をしていたら良かったなぁと思うことがあるはず。でも、別の選択をしたとしても、振り返れば、同じこと。後悔の無い人生なんて無いんだから、前を向くしかありません。前を向くために、これまでの後悔があるのでしょう。
スンユは王に逆らう謀反人ですから、悲劇的な結末が予想されました。最後に、どう収めるのだろうと思っていました。終わり方も人によって評価が分かれるかもしれません。復讐・・・もっと、身近な言葉なら、仕返し・・・人から自分に対して、行われた行為に対して、同じようなことを返すわけですが、大抵は良いことにはなりません。でも、やられっぱなしでは、プライドが傷つくし、自分の心のもって行き場が無くなるのです。このバランスが難しい。自分の心の問題。やり返しても、一瞬、心は満足しますが、もともと、嫌な行動ですから、心に傷を残します。その傷を埋めるために、「あんなにひどいことをされたから・・」「やむを得ない」「当然の報い」なんて、相手をおとしめることで、心の平穏を保ちます。
このドラマで最も印象に残った言葉は、スヤン大君が最終話でスンユに言った「お前も同じだ」という言葉です。実は、スンユは、スヤン大君への復讐の過程で、いろいろな人を斬っています。それは、悪徳重臣であったり、単に護衛をしているだけの人だったり、公務でスンユを捕らえようとしている人など・・さあ、物語では、派手なチャンバラとして流れてしまいますが、ふと、私は気がついたのです。スンユに斬られた名も無き人にも、妻や子、親などの家族がいるであろうことを・・・彼らにとって、スンユは、憎むべき仇です。こうなると、自分の目標のために人を殺めることを肯定することはできません。ですから、本当はスンユに平穏な時間が訪れるはずが無いのです。うん、だから、私は、このドラマに泣けなかったのでしょうね。
大切なことは、復讐の連鎖を断ち切ること。ですから、スンユは、愛するセリョンを得るために、2人で逃げるという選択が、実は最も勇気のいる行動だと思いました。名分を果たせず逃げる勇気・・・こういう視点は、人とは変わっていると思いますが、あえて、最終話に、スヤンに、あの言葉を言わせたわけですから、脚本家も、十分意識していたことと思います。ま、ドラマですから、復讐にもえた男が、愛する女の親を狙うというドラマチックな設定は、動かせませんがね・・・
さて、これだけの作品を見ると次は何にするか難しいなぁ・・
OSTは・・とっても良いです。ペク・ジヨンさんの「今日も愛してる」です^^歌詞はこんな感じかな。
見つめることしかできなくて、触れることができなくて悲しい
すぐ前に立っているあなた そして後ろにいる私
いつも陰に隠れて 気づかれないように泣く
振り向いてと言えずに また涙を流す
明日になっても愛してる
昨日よりも愛してる
胸に秘めた言葉を言い出せないまま
今日もあなたを愛する
あなたの後ろにいたくない いつも寄り添っていたい
その日がくるのを願い そのために生きる
見つめていても恋しい
一緒にいても寂しい
一人身を焦がす恋 終わりが見えない
耐えられないほどつらいけど
明日になっても愛してる
昨日よりも愛してる
胸に秘めた言葉を言い出せないまま
今日もあなたを愛する
あなただけを愛してる
私の気持ちひとつもわからない
馬鹿みたいなその人
私の目の前にいるその人
そう、それはあなただから・・・・
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