韓国ドラマ「京城スキャンダル」見終わりました。
韓国ドラマ「京城スキャンダル」全16話見終わりました。以下ネタバレ含みます。
12話終了のところで感想を書こうと思いました。でも、書けることがなかったんです。もし、書くとしたら、こんな感じになったと思います。「イ・スヒョンが格好いいです。これ以上書けませんし、書く気にもなりません。リュジンさんをしっかり見てくださいね。」なんとなく予感していたのですが、ここまでリュジンさんが格好いいとは思いませんでした。こりゃ、カン・ジファンさんを喰っちゃいましたね。
やはり、時代が時代だけに、難しいドラマでした。根底に民族の独立という思想が見え隠れしていますし、ドラマ中の日本人の朝鮮人蔑視の言葉が、心に痛いです。今、そんなことを言うような人はほとんどいないと思いますが、ひょっとすると韓国の中では、日本とは未だにそのような国と思われているのかもと思ってしまいます。コメディタッチで始まったこのドラマですが、朝鮮独立へ向かうために暗殺という手段がでてきますので、ある程度悲劇的な結末を予想していました。15話から16話にかけては、相当重苦しいです。後半の主役はどう考えても、イ・スヒョンとチャ・ソンジュでしょう。この2人の愛・生き方が、後半のポイントです。この前にはソヌやヨギョンはすっかり霞んでしまいました。
印象に残った言葉は2つ。「世の中が変わるのは次の時代だ」このように歴史という大きな流れの中で、個人の力というものは、わずかでしかありません。いかに人生をかけて、社会の変革に乗り出そうとも変えられることはわずかです。しかし、世の中を変えようと行動したことは、正しいことであるならば、時間をかけてその影響は広がっていき、少しずつ変わっていくのです。こんな世の中になったのは、そういえば、あの人達の行動がきっかけだったなぁとなるのが、歴史というものなのです。まあ、通常の人々の生活に置き換えれば、自分の存在は他人に何らかの影響を与えてると思うことでしょう。生きてきたあかし・・・わかりやすいのは、自分の子供を作ること、何かの作品を生み出すこと、誰かの人生に関わること・・・それを積み重ねていくのが生きていくということなんでしょうね。そうして、2つめの言葉「それでも生きて!」が効いてきます。こんな世の中であっても、与えられた環境で生きてゆく。生き続けることは、ある意味死ぬことよりも難しいのです。人生には、つらいことや悲しいこと、理不尽なことがいっぱいあります。それを嘆いていても仕方がないのです。ようは、前向きに生きるという本人の意志、これが、重要ですよね。おっと、もう2つ気がついたことがあったよ。大切な人を守るために自分が犠牲になるという行動は、実は、残った人・守られた人に過大な苦しみを与えるということ。もう一つは、自分の信念に沿わないことを行うのは、自分の魂を捨てるのと同じことということです。ほら、このドラマの後半はこんなことを考えさせられるような難しいドラマに変わったということなんでしょうね。
最後のほうは、つっこみたいところが見受けられました。秘密の話をそんなに大声でしちゃいけないだろうとか、アジトはけっこう遠そうなのに、みんな車のない人はどうやってくるのだろうとか、通常、警察に追われたあの状況で、スヒョンとソヌは逃げ切れないだろうとか、逃げるのに、真っ先にマークされる駅にソヌが現れるのは無理だろうとか・・・けっこういっぱい(笑)
このドラマは、ソンジュを演じたハン・ゴウンさん、イ・スヒョンを演じたリュジンさん、腹立つ巡査イ・ガングを演じたユン・ギウォンさんがとっても良いです。15話最終のソンジュは白いドレスで、化粧もうまくしてあって、とってもきれいでした。リュジンとのこのシーンがこのドラマの見せ場だと思います。あら、ソヌとヨギョンの感想はどこに行ったのでしょう。後半のソヌは、軽さが消えてきてシリアスなんです。まじめなソヌも格好いいですが、まじめさ・ひたむきさで勝負するとスヒョンに負けますから、やはり軽さで魅力を発揮するしかありません。後半のおもしろいところは、ひとつの布団話とか、ユギョンの服の紐の話でしょうかね。駅から始まった物語を駅で終わらせるのも良いかと思いますが、やはり、暗くなりそうな物語ですので、ひとつの布団で、「朝鮮解放前に死んじゃったら、紐もひっぱれない」とか言って、服の紐をひっぱるソヌ・・・てシーンで終わらしてくれると笑って終わったかもね。
総評としては、コメディぽく始まったけど、実はシリアスなドラマ、配役とキャラ立ては上手にできています。ただ、日本人が見るにはちょっと心が痛いところがあるということで、減点。私には、まあ、普通ってところのドラマです。厳しいか、ごめん。
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